「お金持ち=信用力が高い」とは限らない。お金にルーズな人が陥りやすい、違和感を感じるクレジットカードの使い方。
私は普段は信販会社の審査部署で審査に従事するアルバイトをしているのですが、そのために日頃から他人のCIC情報、つまりクレジットカードヒストリーを見る機会が多いです。
こういった仕事をしていると、いろんなクレジットヒストリーを見ます。経営者・役員で年収も高いのに支払いはめちゃくちゃ悪いとか、そんなに年収がずば抜けて高いわけではないけど、クレジットカードやショッピングクレジット、を上手に利用してクリーンなクレジットヒストリーを積み上げている人など、様々です。
たまにしか使ってないのも変
うちの会社は基本的にはCICの情報をもとに審査しています。CICは支払い実績に応じて幾つかの記号をつけます。
出典:開示報告書について|よくあるご質問|指定信用情報機関のCIC
ここで注目してもらいたいのは、「-」の記号です。表からその意味を読み取ると、請求もなく入金もなかったということです。
これ、審査する側からしたら、「-----」と続いてるのであれば、例えばこのクレジットカードはメインカードではなくて、普段はほとんど使わないカードなんだなと察します。
その一方で、「----$---」とか「-----P-----」とかになっていると、逆に突然なんで利用したんだって思います。
前者の場合に審査する側の人間として思うのは、どこか海外で利用したのかなということが1つ考えられるということです。
実際に私もVISA、 MasterCardと、国際ブランドのシェア上位2ブランドのクレジットカードを持っていますが、正直言ってマスターカードの方は国内ではほとんど使いません。国内ではJCBかVISAのカードを何枚か持っているので、それを使い分けています。
参考資料:
ただ、さすが世界で2番目に加盟店の多いカードブランドだけあって、海外ではマスターカードのと特典・サービスが非常に有効に使えます。
そういう私と似ていて、特定のカードは海外でしか使わないとか、家電を買うときしか使わないとか、旅行の際の航空券を買うときにしか使わないみたいな人は、「----$--」となっていても理解できます。
しかし、前者のように突然クレジットカードを利用してもちゃんと支払っているのならまだマシですが、後者のように突然クレジットカードを利用して、その上一部入金になっているわけだから、お金にルーズな人なんだって思われてもしょうがないですよね。
審査する目線でそういう人を一方的に分析すると、その時何らかの事情で現金が使えない、もしくは持っている他のカードが使えなくて、サブカードであるそのカードで決済した。そしてそのことをすっかり忘れてしまっていたという、お金の管理ができない人間だと分析します。
理由はともかく、本当にうっかりして支払いを忘れていただけであっても、審査目線で言えばこういううふうに捉えられてしまうので、注意しましょう。
引き落としの口座はできるだけ給与口座で
「クレジットカードを使ったら、その分を翌月に支払いをする」、これは当然のことですよね。それでもこれができないルーズな人が世の中にいます。一部の人間はもともと支払う気なんてさらさらなく、その場しのぎでカード決済するから、結果支払えないし支払いが遅れることを当然だと思うのでしょう。
ただ、本当にお金があるのに支払えない人って、その多くは引き落とし口座と預金口座、給与振込口座と複数の口座を持っている可能性が高いと思われます。
口座を複数持つのは全く構わないですが、クレジットカードを複数持つのと同様に訳わからなくなりませんか?2〜3個の口座ならまだしも、5個以上とか口座開設している人は、たぶん実際にきちんと使い分けができている人ってそんなにいないと思います。
確かに、銀行系のクレジットカードは口座開設とセットだったりするので、クレジットカードが欲しいと思ったら口座を開設しなければならない状況に出くわすかもしれません。それもクレジットカード会社、銀行の顧客を勧誘する方法の1つですからね。
ただ、それに乗せられて毎回口座を開設して、大してお金も入れないのにその口座を引き落とし口座に指定したら、そりゃCICに「AやP」がついてもおかしくないですよね。
だから、引き落とし口座の指定は給与振込口座にしておいた方が、万が一のためにも良いと思います。
金持ち=信用力が高い
クレジットカードの審査に通る、住宅ローンの審査に通る、ショッピング・オートローンの審査に通るって何も金持ちだから、年収が高いから審査に通ってるわけではありません。あくまでもその人に信用力が高いから、お金を貸してもらえるのです。
審査という業務に従事して、最も衝撃的だったのは「年収が高い=信用力が高いというわけではない」ということです。
審査にあったってはCICやJICCなどの個人信用情報機関の情報を最も優先的に見ますが、申込書にも当然目を通します。そこから浮かび上がってくる事実ってすごいたくさんあって。
審査をしていて最も気持ち悪いというか何か違和感を感じるのは、年収が高いのに、信用情報の蓋を開けてみたら全く支払いがきちんと期日までにできていないこと。
それこそさっきの話に戻りますが、お金があればどの口座にもある程度「予備のお金」という形で入れておくことは可能ですよね。それにもかかわらず支払いができないって、その申告額は嘘なのではないかなと疑います。さらに、支払いがルーズっていうのが判明するだけでもマイナスなのに、その申告額に嘘があるとみられてしまっては、もっともっとマイナスです。
審査はあくまでもどれだけお金を持っているかではなく、どれだけ信用力が高いかということです。だからクレジットカードの世界では金持ちが必ずしも優先される、地位が高いというわけではありません。
まとめ
クレジットカードを持っているにもかかわらず、たまにしか使わないならいっその事解約すべきだと私は思います。限られた信用枠の中でそのたまにしか使わないカードに枠を取られるのは、なんだかもったいない気がします。
さらに、たまにしか使わないのにその支払いが遅れてしまっては、審査上めちゃくちゃ印象が悪いです。人間だから誰しも1度くらい支払いを忘れてしまったり、支払いが遅れたりすることあると思います。ただ、たまに使ったカードのその1回で、CIC上に「A」「P」が付いてしまうと、もう最悪です。注意しましょう。
今日も読んでいただきありがとうございました。